経済産業省は、9月24日に開催した有識者会議(第4回次世代電力系統ワーキンググループ)において、系統用蓄電池の接続検討が急増していることを受け、迅速な連系に向けて、接続検討申込時の用地に関する書類提出の要件化、接続検討数の上限設定といった対策を示した。
接続検討の現状について分析したところ、防災公園などの公共的な土地、すでに別の建物が建設中の土地、住居以外が建設できない土地など、事実上事業の実施が不可能と思われる土地での接続検討が行われている事例があった。しかし、接続検討は事業性を判断するために必要なプロセスのため、申込時に設置場所の使用権原などを要件に求めるのは難しいという。
その一方、事業確度が低い案件による申し込みが接続検討の急増の一要因となっている現状を踏まえると、申込時に一定の事業確度を求めることが必要ではないかと指摘された。そこで、申込時に事業用地に関する調査結果や登記簿などの提出を求めることとし、可能な限り早期の実現に向けて具体的な提出要件の検討を進めるのはどうかとの意見があった。
また分析では、一事業者が短期間に100件以上の接続検討申込を同一の一般送配電事業者に対して行っている事例などが複数見られた。多数の申し込みが行われることで受付などに時間を要し、手続きの長期化につながっているという。これに対し、一般送配電事業者が行う接続検討の機関における案件数に上限を設定し、事業者が上限を超える申し込みを行った場合、案件の優先順位が高いものから上限の範囲内で接続検討を実施するという案が示された。
系統用蓄電池を含む発電設備の系統アクセス状況は、事業環境の変化により常に変動することから、接続検討の動向を踏まえつつ、今回提示された2案以外の方法も含めて、引き続き検討を進めていく。さらに、直近の接続検討の回答状況を簡易的に示すなど、申し込み前の検討案件の精査に資する情報公開のあり方も検討する。申し込み以降のプロセスでも、空押さえの実態を把握し、適切な対応策を検討していく。