経産省、「非化石市場」を改革、地域共生型で省庁連携を強化

経済産業省は、9月8日に開催した有識者会議(再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会)において、再エネ主力電源化に向けた今後の議論の方向性として、非化石価値取引市場の改革や地域共生型を更に促す施策を挙げた。

 非化石価値取引市場(非化石証書制度)については、多くの入札で売入札量が買入札料を上回り、約定価格が下限値(FIT証書0.4円/kWh、非FIT証書0.6円/kWh)に張り付いている。その結果、PPA(電力購入契約)での相対契約にあたって、非化石価値取引市場の約定価格が実質的な「価格指標」として参照されているなど、追加性(新規の再エネを増やす効果)のないFIT証書の環境価値が、PPAなど追加性のある再エネ電源の環境価値を押し下げていると指摘されている。

 今後、PPAによる再エネ電源をさらに増やしていくには、「追加性」を正当に評価した環境価値の値付けが必要になってくる。

 そこで同小委員会で、エネルギー供給高度化法・第3フェーズ(2026年〜2030年)を見据えた短期的な時間軸、2030年以降を見据えた中長期的な時間軸の両面から再エネ導入を加速させる上で、非化石価値取引市場・制度のあり方について関係する審議会で議論する。

 地域共生型再エネについては、2024年再エネ特措法改正などで事業規律の強化を進めてきた。その一方で、2024年度には事業規律違反や関係法令違反が疑われる不適切案件に対して全国約1300件を調査し、うち約1000件に行政指導などを実施している。

 今後、固定価格買取制度(FIT)、フィード・イン・プレミアム(FIP)制度によらない太陽光発電事業の導入が見込まれることから、地域共生の確保に向けた具体的事項について、次回以降の同小委員会で議論することを示した。検討事項として、関係法令を所管する関係省庁との連携強化・枠組み構築、地域の実情に応じた再エネの地域共生を促す取り組み(自治体による再エネ条例の制定など)、業界団体における自主的な取り組みの推進などを挙げた。

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