本田技研工業(ホンダ)は、燃料電池車(FCEV)の燃料電池をリユース(再使用)した定置型システムを実証する。トクヤマ、三菱商事と共同で「副生水素と車両からのリユースを想定した定置用燃料電池のデータセンター向け実証」を開始する。8月1日、山口県周南市において実証施設の開所式を開催した。
同実証は、トクヤマが食塩電解事業で製造する副生水素を活用し、ホンダが燃料電池車からのリユースを想定して開発する定置用燃料電池から、三菱商事が運用する分散型データセンターに電力を供給する。2023年6月に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発/地域モデル構築技術開発」事業として採択された。
定置用燃料電池は、ホンダのFCEV「CR-V e:FCEV」に搭載される燃料電池システムを4基束ねて出力250kWのユニットを構成した。実証では出力を110kWに制限して稼働し、1分間に1100Lの水素を使用する。なお同電源は、250kWユニットをベースに4ユニット合計100kWまで連結可能。さらに1000kWをベースに並列設置が可能で、顧客が必要とする最大消費電力量をニーズに合わせて供給する。
冷却システムや内部レイアウト設計を最適化することでコンパクトなサイズを実現し、顧客の設置環境に柔軟に対応できるという。非常時に信頼性の高いバックアップ電力を迅速に提供するため、起動から10秒以内に電力を供給できる応答性を目指す。動作環境は−25℃〜+45℃、騒音レベルは76dBA(@7m)以下。
実証では、燃料電池の特性を生かしたデータセンター向け非常用電源・系統電力から切り離した常用電源・ピークシェービング用途での活用可能性、需給調整市場向けの活用可能性を検証する。また、燃料電池と水素供給を組み合わせたビジネスモデルの経済性・事業性についても検証する。実証期間は2026年3月までの予定。