ソーラーフロンティア(東京都港区 )と、小売電気事業者のFPS(東京都中央区)は、固定価格買取制度(FIT)で運用中の太陽光発電所をフィード・イン・プレミアム(FIP)に転換し、蓄電池を併設・運用するスキームに基づくサービスを提供する。8月27日、同スキームに関する業務提携基本契約を締結したと発表した。
同スキームは、主に出力制御(出力抑制)が頻繁に発生する九州電力エリアにおいて、太陽光発電所の電力を蓄電池に充電し、需要が高まる時間帯に放電することで売電収益を最大化するもの。また、FIPにより発電事業者は市場価格に加えたプレミアム収益を得られるため、FITより効果的な事業構築が見込まれる。
ソーラーフロンティアは、各太陽光発電所に即した蓄電池容量を算出し、蓄電池導入による事業性シミュレーションを提案する。また、取引先金融機関への説明や各種申請のサポート、運用開始後の発電量を予測し、蓄電池を運用する。グループ会社のソーラーフロンティアエンジニアリングによるEPC(設計・調達・施工)サービスも提供する。
FIPは、アグリゲーターとして過去の実績を用いた蓄電池導入時の市場売電およびプレミアム収入のシミュレーション、発電事業者との受給契約、太陽光発電所が生み出す電力の電力市場および非化石価値市場における販売・取引などを行う。売電先は、日本卸電力取引所(JEPX)のほか、容量市場や需給調整市場への参加も想定する。
第1号案件が九州電力エリアで12月に稼働する予定。事業目標は、低圧案件も含めて100件程度。基本的には既設発電所向けのサービスとなるが、将来的には新設発電所向けサービスの提供も可能性があるという。